Ambassadorエピソード2 初期不良も出尽くしたかな(でも、油断は禁物)


ウォッシャータンク
 出勤しようとカレージの扉を開けたときのこと、車の下が濡れていた。以前から冷却水の減りが早く、ラジエターの水も減りが早かった(というか、今まで乗ってきた車には補充したこともない)ので、ラジエターが腐食していたのかなとあわててエンジンルームを見た。何と、ウォッシャータンクが金属疲労ならぬ”プラスチック疲労”でポロポロになっていて脱落、車体とタンクを留めているネジ穴が見るも無惨な状態になっていた。出勤前の時間の無いときだったので、取りあえずは片道約30分の通勤を原付でこなした。これもやっぱり走行不能のトラブル?現在は、すぐそばにあるバッテリー設置用の棚に居候している。

 ウォッシャータンクとバッテリー 
 本来は、緑色のシール部分にネジで直付けされている。シール左のネジは、その名残り。
   このタンクは、ディーラーにも在庫がないらしい、大切にしないと。


クールな彼女
 今年の冬は寒かった。瀬戸内の温暖な神戸にも雪がちらついて、フロントウイント゛が凍り付いたりもした。
 依然としてヒーターは全く効かない日々が続いていたが、その日は特に効きが悪かった。いつものようにチョークを引いて10分間のアイドリングの後出発したが、チョークを戻すと信号待ちのたびにエンジンがストールする。水温計に目をやると針がほとんど上昇していない。先輩オーナーの話を思い出してフロンクマスクを装着することにした。近くの外車ディーラーに問い合わせたが、何処もその存在すら知らない。Ambassador = Mini と言うことで、これまた近くのMini 専門のレストアショップに聞いてみると「取り寄せしましょうか。」とのこと。
 色は、黒と白が有るそうで黒を注文したが、翌日連絡があり「生産中止で、デッドストックの白しか有りませんがよろしいですか。」という話。Mini も、最近は性能が向上してこの類のものが不要になったらしい。その翌日取りに行くと、本当は白のはずが黄ばんでベージュになっていた。売り値は定価15000円から大幅ディスカウントでOKだった。
因みにショップの部長さんは、1964年式のMini にお乗りとのこと。また、心強いショップと出会えた。


雑誌デビュー
 
「HOT DOG PRESS」という雑誌が講談社から発行されている。そこの編集者の方からメールをいただいた。「今度、アジアの車の特集を組むので、その中でAmbassadorについて触れたい。ついては、HPの画像と文章を引用したいのだが構わないか。」という内容だった。勿論、二つ返事でOKした。実際に掲載された雑誌(2001年4月23日号)を見て、ほんの数行の文章と画像だったが、ちょっと照れくさかった。でも同僚は、「あまりにも変な車で資料が無くて困ったからメールが来たのと違うの。」と口をそろえて言ってきた。多分その可能性が高いでしょう。


6ケ月点検
 初期不良も出尽くして、そろそろ安定してきた我がAmbassador。今回の点検を機に、日頃気になっていたところを徹底的に看てもらった。
 下回りのグリスアップ、 これは、定期点検の都度してもらっている。続いてサイドブレーキの締め付け、日本車以上にすぐに緩んでくる。

 アンテナも勤務先が海に近いせいか、半年もしないうちにサビサビになった。このページ冒頭にも記載したウオッシャータンクの件も、早急に何とかしたい。運転席の窓の開閉も異常に固いがこちらは、レギュレーターなる部品が雨で腐食、交換が必要。また、開閉レバーがあまりの堅さに耐えきれず破損。

 錆びたアンテナ
 
腐食してサビサビのアンテナ


第1回目車検

 早いもので納車からもう3年、車検を迎えることとなった。今まで乗ってきた車については、車検といっても特別気にすることもなく、定期点検の延長のような感じでいた。
 ところがAmbassadorはというと、ここ数ヶ月大きなトラブルがないとはいうものの、アクセルを踏み込んでも加速が悪かったり、黒煙を吐いたりと、依然マイナートラブルは発生していた。かすかな期待 ? を抱きつついざ入庫。
 入庫時のやりとり。「車検をお願いします。」 「ありがとうございます。ちゃんとやっときます。」 「いつ頃仕上がりますか ? 」 「そうですね。明日には・・・(ちよっと語尾がもぐもぐ)」 「よろしく、お願いします。で、代車はどれですか ? 」 「これね。」とゆぴ指されてみたものは・・・。

代車のカローラバン 勤務先の駐車場にて


アンテナとウォッシャータンク

 アンテナは、以前にオートバックスで尋ねたとき、適合するものがなかったし、ウオッシャータンクもディーラーに在庫がなかったが、アンテナは、ダイハツの軽四のものが、また、ウオッシャータンクは、日産ディーゼルのトラック用のものが少しの加工で取り付けることができた。開閉レバーは、全く同じものが入手できた。
 運転席の窓の件は、部品の手配中で届き次第修理したい。
 ついでに、インド製のバッテリーも念のため日本製のものに交換した。

 新ウォッシャータンク 新アンテナ
新しいウオッシャータンク              
  新しいアンテナ


異端児
 
私のAmbassadorは、他の方のものとはちょっと仕様が異なっている。以下、違いを列記してみた。
 まず外観について、 1 ヘッドライト下にあった正方形の車幅燈が廃止され、代わりに丸形のウインカーになった。従来モデルにあったバンパー下のウインカーはなくなった。 2 フロントグリルが、メッキ仕上げになった。
 3 助手席側のドアノブにも鍵穴がついて、外から施錠できるようになった。(画期的!!)
このために、ミニに近いイメージになった。初代ブルーバードやヒルマンミンクスに車違いをされる可能性は、低くなったように思う。
 続いて内装、 1 シートの素材が起毛処理されたウール地のものから、撥水処理されたピニール様のものになった。濡れ雑巾で簡単に汚れが落ちる。 2 スペアタイヤの収納場所がトランク右側から、日本車と同様にトランク床下になった。大容量トランクスペースが、最大限活用できる。
3 ガソリンタンクが後部座席裏から、トランク右側になった。側面衝突に少々不安有り。
 そしてエンジン、チョークレバーの復活。水温系の針が上がるまで戻せない。さもないと、エンストする。
ディーラーによると「新型」だそうだが、今のところ日本では私のAmbassadorだけのようだ。



 上記の様に、私のAmbassadorは「新型」らしいが、エンジンに関してはチョークが復活するなど、新旧入り交じっていて、「本当に新しいの」と疑問に感じていた。この間エンジンがプスプスと言い出したので、プラグを交換してもらおうと、かかりつけの修理工場に持っていったところ、「これは、エンジンが組み付けられてから相当年数が経っているね。」と言われて、疑問が氷解した---車体とエンジンはそれぞれ別々に組み立てられて、受注が有ったときに組み付けられるので、外観は新しくても、エンジンは旧式と言うことが起こりうる。その逆のパターンも存在すると思われるが、はたして、どっちがよいのやら。だだ旧型の車体の方がAmbassadorらしいとは思う。


エンブレム
 初期不良が相次いだので、お詫びのしるしと言うことでディーラーからエンブレムを頂いた。 Ambassadorのエンブレムは、ボンネット先端の「HM」マーク(Hindustan Motors)とリアナンパー右側の「Ambassador」 の2ケ所だけしか付いていない。 頂いたエンブレムは、「リアーエンブレム」となっているが、どこに付けようか迷っている。 先代CIMAの様にフロントグリルへ斜めにつけてみたら、意外と似合うかもしれない。

 エンブレム  リアーエンブレム
 頂き物のエンブレム                 唯一のエンブレム

 ANNAMALAI 
 映画「ANNAMALAI」に登場するリアエンブレム


電気系統3
 久々にトラブルに見舞われた。 電気系統が弱くアースも全部引き直してもらい安心していたが、ある日の帰宅途中、急にルームランプが点灯した。またドアが外れたのかな(実は、3回ほど前科がある! !)と思ったが、ちゃんと閉まっている。運転席右側のBピラーにルームランプのスイッチがあるが、カチャカチャしても点灯したままだった。車庫入れ後、エンジン止めてキーを抜いたが、ルームランプランプはもちろん、エアコン・カーステレオまで点いたままだった。来週早々に、12ケ月点検があるので、現在は電球を外し、降りるときは、エアコン・カーステレオのオフを励行している。でも、ヘッドライトが点いたままになったらどうしよう。

 ルームランプスイッチ ルームランプ
 ルームランプランプのスイッチ シートベルト裏にある


カーペット溶ける
 姉と所用に出かけたときのこと、「カーペットが溶けてるけど大丈夫?」と言われた。先週掃除したときには何もなかったが、確かにカーペットが熱か何かで溶けている。まだ、ヒーターを使う時期ではないが、場所がヒーターのすぐ隣なのでそれ以外に原因は考えられない・・・でもどうして?

 カーペット溶ける  中央の黒い塊が溶けたカーペット

  ディーラーにお勤めだった、まことさんに写真をお送りしてアドバイスを戴いた。
「床下の防音防振剤かマットを止めているテープが熱で溶けだした様ですね」とのこと。
構造としては、ヒーター自体に発熱体は入っておらず、エンジンルームから引かれたホースからお湯が循環しているだけなので、発火の心配は無いそう。とりあえず一安心。


デフロスタ
 ヒーターが効くようになり、快適になったはよいが、窓がすぐに曇ってしまうという深刻な問題が出てきた。ハイテク装備満載のAmbassadorには、デフロスタなんて代物がついているはずもなく、窓拭き用タオルの出番となる。勿論、曇り止め熱線リアガラスもありません。アナログAmbassaorにアナログな窓拭きタオルベストマッチということオーナーは納得? 
  あるオーナーの方は、ヒーターからホースを引っ張ってきてダッシュボードを加工して温風をガラスに当てる様に改造したとのこと。


給油口
 行きつけのガソリンスタンドで給油してもらったとき、ガソリンタンクのキャップが開かないときがたまにある。もう3回目なのだが、過去2回はいずれも、まだエンジンが暖まっておらずタンク内の空気が収縮し、一種の真空状態になったためだと考えられたが、今回ケースはエンジンも暖まっており、原因は全くわからない。
 仕方なくトランクをあけて、ホースを止めているバンドを解いてからキャップをホースごと引っこ抜いて給油してもらっている。店員さんの話では、デリカやハイエースのディーゼル車では時々あるが、ガソリン車では聞いたことがないらしい。そして、いつものことだが家に帰ってからだと、簡単にキャップを開けることができる。これって単なるAmbassadorの嫌がらせ???

 給油口 
  ちょっと見にくいが、トランク内にあるバンドを2本ともゆるめてホースごと引っこ抜いて給油
   ホースの入り込みが不完全でキャップが浮いている。


運転席の窓
 前から調子の悪かった運転席の窓が、バキッという音とともにとうとう開かなくなってしまった。車庫入れの時や高速道路の料金所、駐車場でのやりとりに、とても不自由している。7月にディーラーへ部品の注文をし半年になるが、ここでもやはりインドのゆったりとした時間が流れているようだ。


評 判、その2
  11月、新しいスタッフが入ってきた。(珍しく男性で、もうすぐ私の上司になるであろう) 
早速洗脳とばかりに、実車とともに詳細なるAmbassadorの解説をしたが頷くことしきり、最後に発した言葉がなんと「250万やろ、そんなに出して不具合があって、みんな怒ってないの?」・・・でも、Ambassadorには、そんなことを超越している何かがあるのです。(まずはじめに、故障ありき・・・)
 


12ケ月点検を終えて
 やっと12ケ月点検が終わって帰ってきたAmbassador、予想以上に深刻な状態であった。
 まず、電気系統3で触れたルームランプの件、配線をやり直してもらった。それと、電球がめちゃめちゃレアもので、整備工場といえども入手に苦労したらしい。(テールランプは、市販されているもので代用可)
 それから、ブレーキまわり。4輪とも、ライニング交換、確かによく鳴いていた。
 続いて、ラジエター。とうとう腐食して穴が開いていたそう。修理不能にて交換。これも、ガレージ下回りが濡れていたので多少は疑ってはいたが・・・。
 カーペット溶けるの件。これは、全くの原因不明。何も、手が付けられていなかった。とりあえず私の場合、暖房はほとんど使わないので、(というか、あってもなくても同じようなもの) 不安が残るが、ボンネット内にあるネジを締めて使えないようにした。
 以上締めて、12万円強の出費---来年に控えた車検の前倒しになるかどうか。


2年目を振り返って
 早いもので、納車されてから丸2年が過ぎた。この1年については走行不能に陥ることもなく、ほぼ順調に経過したが、法定点検時に異常が見つかることが多く、維持費の面から見れば「それなりに」と言ったところか。来年は、恐怖の車検が控えている。